さくらシンドローム
その日の放課後。
凜太郎は生徒会の仕事で遅くまで残っていた。
「じゃあね凜太郎ー。」
「気を付けて帰れよ。」
「お二人も。それでは。」
「ばいばーい。」
進藤と矢神は凜太郎と反対方向のため、門のところで別れた。
そろそろ生徒会選挙の時期だ。凜太郎は立候補しようかどうか迷っていた。
生徒会長は毎年、3年生が務めてきた。凜太郎は例外なのである。
大体いつもは、2年のとき副会長を務めた人が3年で会長になる。
書記の戸田は2年のとき副会長をしていた。だから戸田が会長になると思っていたら、一番票数を集めたのは凜太郎だった。