ちょこれーと
「紗依さんって、何で木村さんって呼ばれてないんですか?」
「ん?木村って名字って多いでしょ?私が入社した時にも同期にも、同じ部署にも『木村』がいてね、わかりづらいから、『紗依』って呼ばれるようになったのよ」
「あ、そうなんですか~で、紗依さん」
「ん?」
「年下の男って、対象ですか?」
「・・・なんの?」
「恋愛」
屈託のない笑顔を見せながら、青柳君はなんでもないようにさらっと聞いた。
「ん~?対象…外!だよね」
「何でですか?」
ちょっとだけ、彼の声が大きくなった気がした。