最後の恋
「綺麗」
「ほんま綺麗っすね」
最後は遊園地の最後の定番、観覧車に乗った。
ゆっくりと動き、回る観覧車。
二人だけの空間はとても静かだった。
「そっち座ってもいい?」
目の前に座っていた椎名が照れ笑いを浮かべながら私を見る。
「いいよ」
そう答えると、嬉しそうにすぐに私の隣に座った。
肩と肩が触れ合って。自然と絡まる手と手。
朝はあんなに恥ずかしかったのに、手を繋ぐことにも抵抗なんて全然なくなっている。
あったかい手。大きな手。
ギュッと握ってくれるこの手は、私のもの?
ドキドキしながら椎名の横顔を見ると、それに気付いた椎名が私の方を見つめた。
「莉奈さん」
「ん?」
「ギュッてしたい」
言われた途端に高鳴る胸の音。
ドキドキしながら私を見つめる瞳にゆっくりと頷くと、椎名は私をぐっと引き寄せて後ろから抱きしめた。
「莉奈さん」
「ん?何?」
「俺のことちょっとでも好きになってくれた?」
「ふふっ、いきなりどしたの?」
可愛いすぎる質問にふと胸がキュンとなる。
「うん…ほんまちょっとだけでもいいから好きになってくれてたらいいなぁって思って」
耳元で聞こえる言葉が愛おしく感じた。
「なったよ。なるに決まってるじゃん。今日本当に楽しかったし」
「ほんま?」
「うん。ほんま」
真似して関西弁でそう答えると、椎名は抱きしめていた私の体をギュッと強くさらに抱きしめてくれた。
幸せってこういう瞬間のことを言うんだと思う。
他には何もいらない。そう思える瞬間が、きっと幸せなんだと思った。