最後の恋



「仕方ないですねー。ちょっと面倒くさいけど大原さんに頼んでみようかな…」

「えっ?大原君に?」

「はい。大原さんからはあれからよく連絡あるんです。多分私好かれてるっぽくて」


早川さんはそう言うと、フーッとため息をついて。


「大原さんには申し訳ないけど椎名君は大原さんの部下だし、大原さんが食事に誘ってくれたらまた一緒にご飯行けるじゃないですか」

「あぁ…うん。そうだね」



部署は違うとはいえ、自分に好意をもっている上司を利用してまで椎名と近付こうとする早川さんがなんだか少し怖くなった。


これ、もしバレたら相当やばそう。

やっぱり絶対言えない。

バレたらどうなっちゃうか…考えただけで恐ろしい。


正直女は怖い。

この歳まで生きていると、たくさんの修羅場を見たり聞いたり実際に経験したりしている。


男が絡むと女は豹変する。

そして豹変したら最後。

友情だって簡単に壊れてしまうのが女だ。

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