最後の恋



「分かってるで」

「分かってないよ」

「何が?」

「今はいいかもしれないよ?でもさ、椎名くんは結婚とかする気あるの?松永さんは結構な年上なんだよ?軽い気持ちで付き合うような相手じゃないと思うんだけど」



言われたくないことを、ズバズバと投げつけるみたいに早川さんは口にする。


「別に軽い気持ちで付き合ってるわけちゃうし…もう行こう莉奈さん」


椎名はそう言うと、テーブルの伝票をサッと取り足早にレジへと向かう。


「最低ですね松永さん、私のこと笑ってたんですか?バカじゃない、椎名君は私のものなのに、とか思いながら」


ジロッと睨むような目つきで早川さんは私をジッと見ている。



「そういうつもりは…」

「じゃあどういうつもりだったんですか?」

「それは…」

「ほら。やっぱりバカにしてたんでしょ?でも一つだけ失礼を承知で言っておきますね。絶対うまくいきませんよ。23の若い男が結婚なんて考えるわけないし。付き合ってても時間の無駄だと思います」


そう言われると、返す言葉が見つからなかった。

黙って席を立ち、椎名とお店をあとにした。

< 184 / 418 >

この作品をシェア

pagetop