最後の恋
「美味しいね」
「あ、うん。美味しい。このパスタめっちゃうまい」
「マルゲリータも美味しいよ」
椎名が予約してくれていたイタリアンのお店に着くと、話の内容は料理のことばかりになった。
ここでも流れているのはクリスマスソング。
赤ワインを頼んで二人で飲んだ。
「本当にワイン大丈夫なの?」
すぐに顔が赤くなった椎名に聞くと、大丈夫と言いながらやっと笑ってくれた。
好きだと感じる。
この笑った顔。
ニッと笑うと細くなる目。
キュッとあがる口角も好き。
椎名の笑顔が大好き。
「どしたん?ニコニコして」
「ん?別に、何でもないよ」
「ははっ、でも俺莉奈さんの笑った顔好き」
「えっ?」
「ニコニコ笑ってる顔見てると何か俺まで楽しくなる」
そう言いながら椎名は笑う。
素直に嬉しかった。
だけど嬉しいのに…キューッて。切ない痛みみたいなものが胸を締め付ける。