最後の恋
「やっぱり酔ったんじゃない?」
「大丈夫!」
お店を出ると椎名はいつもの陽気な椎名に戻っていた。
きっと少し酔っているんだろうと思う。
ずっと繋がらなかった手が、簡単に繋がった。
「莉奈さん」
「ん?」
「今日はずっと一緒にいたい」
歩きながら交わす会話。
「どうしよっか」
「俺んち来る?」
「うーん散らかってない?」
「う…やっぱり莉奈さんの家にしよう」
椎名はバツが悪そうに笑う。
「散らかってるんだ?」
「いや、そんなことないっすよ?でも俺んち寒いから大丈夫かなって」
「ははっ、じゃあ冬が終わったら行くよ」
「うん、春やな!綺麗にしとくわ!それまでに」
冬が終わったら。春が来たら。
交わしたそんな言葉の中で、ふと思う。
この冬が終わってその先の春。
私達はまだ…一緒にいるのかな?