最後の恋
ほんっと…バカなんだから。
『……おやすみ』
見えなくなっていくタクシーを見つめながら、呟くように、一人でポツリと言った。
♪〜♪〜♪
その時―――
携帯の着信音が夜道に響いた。
……?
カバンから携帯を取り出して。
液晶画面に映る文字を確認する。
―080********“サトル”―
サトル……?
『もしもし…』
『あっ莉奈?ゴメン、寝てた?』
『あ――大丈夫、今帰ってきたトコ』
マンションのエントランスを抜けながら、五階までをエレベーターではなく階段で上がっていく。
『そっか』
『うん……』
だけどどうしてだろう。
さっき電話をくれたばかりなのに。