水晶の涙





歩いて歩いて、とにかく歩いてく。

すると、いつの間にか平らで整った道はどんどん凸凹になっていって。


暫く、もっとずっと歩いて行くと…。



「……暗いなぁ、相変わらず」



目の前に

大きな森の入り口が姿を現した。



……この森の名前は



ー神隠しの森ー



「おーい、皆ー……?」



一歩でも中に踏み入れば暗いばかりで、森の名前も物騒なものだけど…。

いつからか覚えていないくらい昔からほぼ毎日のように来ているから、私がこの森の中で迷子になることはない。


…それでも

やっぱり森の中は少し不気味で怖い。


意識して大きな声を出そう!

…と思っていても、無意識の内にどんどんと声は小さくなっていく。



「ねぇ皆…どこに居るのー……?」



そうして、森の中に入って歩き続けて5分くらい経った頃だろうか。



ーペキッ



「……そこに、居るの?」


すぐ側の茂みから、小枝が折れる小さな音がした。


そして、次に聞こえてきたのが…。



「…クルゥ…?」



そんな、小さくて可愛らしい

鳥の様な鳴き声だった。





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