三階廊下
カラオケ屋の片隅に連れて行かれた私は意味が分からないまま、首をかしげて奈々子の方を見ていた。
すると奈々子は真っ赤な顔をして私に七かを言おうとしていた。
その時、私は何故か奈々子の口をふさいだ。
驚く奈々子をよそに、私の口は思いとは裏腹に勝手に動き出していた。
「…隆ちゃんのこと、好きなの?」
「…うん。」
私は勝手に動いていた口を切り落としたくなった。だってどう考えても私には勝ち目はないんだから。
なのに私はどうしてか笑顔で笑って見せた。
「…そうか。奈々子もかぁ!!じゃあこれからはライバルだね。一緒に頑張ろっ!!」
私は何でこんなにも自分で自分の首を絞める天才なんだろうと思っていた。
「奈々子、チョコ渡しておいで!!応援してるからね。」
「ありがとう遥香!!」
奈々子は笑顔で男子の部屋がある方へ駆けていった。