カラス君と黒猫さん










□ □ □



「お、カラス。今日も手伝ってくれるのか?」

「・・・・・違うよ、」


LAURAの入り口を押し開けると、丁度カウンターでファイルを見ている雅に会う。



「何だよお前ー、見ないうちに男らしくなってぇ」

「雅も早く所帯持てるといいね」

「・・・・・・・・・・・・・・・」



雅の顔が暗くなった。
あ、禁句だったか。



「・・・・・・・・・・・・・・で、今日は何の用だよ」

「あぁ、ちょっと気になってた事があって・・・・」


流石水商売。
夜だから店内の方が騒がしい。



「今日、雅俺に電話くれたでしょ?それで、黒猫さんと変わった時に何か・・・。どんな話していたかなって」



カウンターの隣にある低めの机に少し腰を掛けて、雅を見遣る。

やっぱり、雅の顔は浮かない。



「何か言ったんでしょ。黒猫さんもそんな顔してたから」

「・・・・あぁ、」



雅は頬杖をついて、溜め息をこぼした。





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