カラス君と黒猫さん
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「お、カラス。今日も手伝ってくれるのか?」
「・・・・・違うよ、」
LAURAの入り口を押し開けると、丁度カウンターでファイルを見ている雅に会う。
「何だよお前ー、見ないうちに男らしくなってぇ」
「雅も早く所帯持てるといいね」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
雅の顔が暗くなった。
あ、禁句だったか。
「・・・・・・・・・・・・・・で、今日は何の用だよ」
「あぁ、ちょっと気になってた事があって・・・・」
流石水商売。
夜だから店内の方が騒がしい。
「今日、雅俺に電話くれたでしょ?それで、黒猫さんと変わった時に何か・・・。どんな話していたかなって」
カウンターの隣にある低めの机に少し腰を掛けて、雅を見遣る。
やっぱり、雅の顔は浮かない。
「何か言ったんでしょ。黒猫さんもそんな顔してたから」
「・・・・あぁ、」
雅は頬杖をついて、溜め息をこぼした。