カラス君と黒猫さん










□ □ □



「っ・・・・・・!!」



突然背中に爪を立てられた感触で目を覚ました。



「・・・・・・・・・・・・・・・・え、」



体を起こして、まず初めに目に入ったのは、黒髪。



「ちょ、え・・・・・・・・・・・・・・」


そして、至福そうに眠る黒猫さんの顔。



(・・・・・・・・・・・・・・・・・・何で居るの?)


よく見ると、着ていたシャツが床に落ちている。




「黒猫さん・・・・・・・・・・・・・・?」


俺の腰に巻きついたまま離れようとしない腕をつついて見る。

でも、黒猫さんは「んん」と唸っただけで起きようとしなかった。



「くーろーねーこーさーんー」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・うるさい」



きり、と爪が背中に食い込んだ。


(そんな、酷い)



何で黒猫さんが我が家に居るのかも、何でここで寝ているのかも分からないまま「うるさい」って。クールすぎる。




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