カラス君と黒猫さん
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「っ・・・・・・!!」
突然背中に爪を立てられた感触で目を覚ました。
「・・・・・・・・・・・・・・・・え、」
体を起こして、まず初めに目に入ったのは、黒髪。
「ちょ、え・・・・・・・・・・・・・・」
そして、至福そうに眠る黒猫さんの顔。
(・・・・・・・・・・・・・・・・・・何で居るの?)
よく見ると、着ていたシャツが床に落ちている。
「黒猫さん・・・・・・・・・・・・・・?」
俺の腰に巻きついたまま離れようとしない腕をつついて見る。
でも、黒猫さんは「んん」と唸っただけで起きようとしなかった。
「くーろーねーこーさーんー」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・うるさい」
きり、と爪が背中に食い込んだ。
(そんな、酷い)
何で黒猫さんが我が家に居るのかも、何でここで寝ているのかも分からないまま「うるさい」って。クールすぎる。