カラス君と黒猫さん
「そう、たまたま通りすがったら、何か裏路地で迷って。そこに黒猫さんが現れたんだ」
口元を上げて、黒猫さんに笑ってみせる。
黒猫さんに、嘘は通じるのだろうか。
自分でも苦しい嘘だと思うのに。
「・・・・・・・・・・ふうん。そ。」
黒猫さんは、素っ気無く流したけど、俺は気付いた。
わざと妖しく笑って、俺の何かを身透いた様に口角を上げる。
(絶対に分かってる顔だ・・・・・・・・。)
黒猫さんには敵わないかもしれない。
「カラス君、面白いね」
「・・・・・・・そうなの?」
「性格と、実際にやってる事が全然違う」
あ、また。難しいことを言う。
「・・・・・・どういうこと?」
「そのうち自分でもわかるよ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」