問題山積み
「ほんと!?」
愛里ちゃんは、前回遊んだ時にこんな感じで「彼氏と別れたの」と報告してきた。
その彼氏と別れた理由は、「彼氏が我が儘すぎてついていけない」というものだった。
容姿は取り立てて美人でも可愛いわけでもない愛里ちゃん。
でも、ふんわり柔らかマシュマロみたいな性格の愛里ちゃんは、高校の時からずっと誰からも好かれる子だった。
お互い別々の大学に通っているけど、きっと大学でも皆から好かれているに違いない。
だから、すぐに新しいいい人ができるだろうなあって思っていた。
「で、どんな人?」
「サークルの先輩。なんか、元彼と付き合ってた時から私のことが好きだったって…それで…」
照れた愛里ちゃんが、俯いてタルトの葡萄をフォークの先でつつく。
グラサージュがかかったそれが、愉しそうに煌めいた。