問題山積み
愛里ちゃんの場合は、あんまりそういうことは感じない。
「大親友です!」って程ではないけど、高校の時、しょっちゅう一緒に放課後遊んでいたから。


「亜樹ちゃん、モテるのにねえ」

「モテるって言うか…うーん…」


悪意のない愛里ちゃんの発言に、苦笑いを零した。
私も一応は年頃なので、それなりに遊び相手はいる。
今は合コンで知り合った社会人と、バイトの先輩の二人。
そして、愛里ちゃんもそんな私の事情を知っている。
「付き合うなら一人の人と。付き合うという形を取らない形なんて有り得ない」主義の愛里ちゃんからしたら、私の貞操観念など理解の域を脱しているのだろうが、それでも愛里ちゃんが私を軽蔑したりしている様子はない。


「今、亜樹ちゃんと関係のある人の中から彼氏になりそうな人はいないの?」

「ないなあ。私も割り切ってるし。それに、バイトの先輩は彼女いるし」

「…彼女、いるんだ…」


心底驚いたという顔で、愛里ちゃんが目を見開いた。
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