シンクロニシティー


 けれど。
 セフレ同士が自分たちのことについてちゃんと話す必要性がどこにあるのか。

 身体だけの関係だ、心は無関係。
 話すことなんて何もないような。


 でもレイジが泣きそうな顔をすると、その童顔が私の母性を刺激するのだろうか、心が激しく揺さぶられる。


 渋々ではあったけど車を降り、レイジに連れられて入室した。



 薄暗く照らされて妖しい色に染まった部屋。
 何度来ても、どうしても嗅ぎ慣れない匂いが鼻を突く。

 独特の雰囲気があるここが、私はあまり好きじゃない。
 居心地が悪くて落ちつかない。



 何となく、自然な流れでベッド上に二人並んで腰かけた。


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