シンクロニシティー
少し隙間を空けて座ったレイジは、どうやら本当に何もする気はないらしい。
でも私の方など見ずに前傾がちに俯いたまま、何も言ってくれないから、気まずい沈黙が続いてやたらと空気が重苦しい。
やがて。
「コト、お前……俺と別れてぇの?」
ようやく口を開いたかと思えば、トンチンカンな問い。
ホッとするどころか、私は一層居心地の悪さを感じ、意味もなく小さく身じろぎした。
けれども真っ直ぐ視線をこちらに寄越したレイジの顔は、至って真剣そのもので。
もしかしたら私たち、付き合っていた? などと、うっかり錯覚してしまいそうになる。
「別れるって……私たち、そういう仲じゃないじゃん? 身体だけのお友達っていうか……」
戸惑いながらもそう返せば、「フツーにセフレって言えよ」とレイジは困ったような苦笑を浮かべた。