シンクロニシティー


「でももう、レイジとは会わないことになったから」

 都合の悪いことは聞き流す。
 いつも、誰に対してもそうしてきた。


「レイジくん、ふられちゃたんだ、かわいそー」

 眉をハの字にしてナッチが言う。
 それは、まるで私を責めているように聞こえた。


「『ふられ……』って、え? 別にそういう訳じゃ……」

「そお? レイジくん、絶対コトのこと好きだったと思うなぁ。だって私と居ても、レイジくん、コトの話ばっかだし。いい加減うんざりだったよー」

 ナッチはクツクツ可笑しそうに笑っているけれど、全然楽しそうじゃない。


 そして私も。
 何だか自分のこともレイジのことも悪く言われている気がして、ほんの少しだけど不快な居心地悪さを感じた。


< 150 / 296 >

この作品をシェア

pagetop