シンクロニシティー
「いっ……やっ」


逃れようと掴まれた腕を全力で振り回したけど、頑として放してはくれなかった。



「『いや』じゃねぇわ、さっさと来い」

神崎はもう一方の手で、私の頭頂部の髪を乱暴に鷲掴む。


ビリッと刺すような痛みが頭に走り、思わず顔を顰めた。



「先生、乱暴はやめて下さい」

遅れてリビングに戻ったシュウが、慌てて駆け寄り止めに入る。



「『乱暴』じゃねぇ、人聞き悪ぃ言い方しやがって。これは指導だ。言ってわかんねぇようなバカには、指導が多少手荒んなっても仕方ねぇだろ? 結果的にコイツの為なんだよ。てめぇは引っ込んでろ」


「コトはバカじゃない。ちゃんと話せばわかる子だ」

言いながらシュウは、私の髪を握り締めた神崎の手首を掴んだ。


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