シンクロニシティー
「イケナイ子だなぁ、コトちゃんは。こんな物騒なもん振り回したら、危ないでしょう?」
私から奪った包丁の先っぽを、リズムでもとっているように上下に小さく振りながら、神崎は一歩一歩踏み締めるようにして私との距離を詰める。
「お願い、殺さないで。まだ生きたい」
祈る想いで口にした。
シュウと一緒に生きたい。
あの家に帰って、もう一度やり直したい。あんなに嫌っていた家だけど、家族だけど。
「『まだ生きたい』? 死にたがりのお前が、どういう風の吹き回しだよ? それに、そっちが先に俺を殺ろうとしたんじゃねぇか。なのに立場逆転したら命乞いって、随分虫のいい話だな」
言って、口を歪めて薄く笑んで見せた神崎に、底知れない恐怖を覚えた。
目の前まで来た神崎は、私の喉元に刃先を突き付け、
「ずーっと死にたかったんだよねー、コトちゃん? 先生が今、その望み叶えてあげるからね?」
気持ち悪いほどに優しい声色で囁いた。
私から奪った包丁の先っぽを、リズムでもとっているように上下に小さく振りながら、神崎は一歩一歩踏み締めるようにして私との距離を詰める。
「お願い、殺さないで。まだ生きたい」
祈る想いで口にした。
シュウと一緒に生きたい。
あの家に帰って、もう一度やり直したい。あんなに嫌っていた家だけど、家族だけど。
「『まだ生きたい』? 死にたがりのお前が、どういう風の吹き回しだよ? それに、そっちが先に俺を殺ろうとしたんじゃねぇか。なのに立場逆転したら命乞いって、随分虫のいい話だな」
言って、口を歪めて薄く笑んで見せた神崎に、底知れない恐怖を覚えた。
目の前まで来た神崎は、私の喉元に刃先を突き付け、
「ずーっと死にたかったんだよねー、コトちゃん? 先生が今、その望み叶えてあげるからね?」
気持ち悪いほどに優しい声色で囁いた。