シンクロニシティー


 翌日、学校へ行った。
 あんまり行きたくなかったけれど、家に居てもお母さんが居るし。



 教室へ入るなり、ナッチが私に目ざとく気付き、物凄い勢いで駆け寄って来た。

「コト、どうしたの? サボるんなら誘ってよー」

 子どもみたいに無邪気に笑って、ナッチは私を肘で小突く。


「あ、うん。ごめん」

「なんで謝んの? てかさ、何やってたの? あれ? コト、ちょっと焼けたんじゃない?」


 言われて初めて、自分の肌を見た。

 肘を曲げて右前腕を少し持ち上げ、そこに視線を落とせば、確かに、白かった肌がほんのり赤みを帯びているように見える。


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