色をなくした世界
言った瞬間雄大は後悔したが・・・・もう戻れない。


雪乃は鞄を掴むと部屋を出て行こうとする。


それを雄大は扉の前で立ちふさがり許さない。


「ごめん・・・・ごめん・・・・・帰る・・・」


傷つけたのは雄大なのに、雪乃の顔は自分が雄大を傷つけたかのように歪んでいる。


「ねぇ雪ちゃん・・・・何で一馬なの?」


何で・・・俺じゃいけないの・・・


いつもとあまりに違う雄大に雪乃は何も言えず、鞄を持ったまま立ち尽くしてしまう。


「ねぇ雪ちゃん・・・和哉より一馬を選ぶの?」


答えてよと笑う雄大の顔が見た事もない顔で・・・・雪乃は鞄を落とし後ずさりしてしまう。


それを逃さないと言わないばかりに雄大が距離を詰めてくる。


-ドン-


壁に雪乃の体が当たった。



「雪ちゃん・・・・何でだよ・・・・」


泣いていないのに・・・・雪乃には雄大が泣いているように見えた。


「ごめんなさい・・・・」


雄大は雪乃に謝ってほしいわけではない。


「謝るなよ・・・」



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