色をなくした世界
「雪ちゃんの事だったんだよ・・・・忘れられない人」


察したように雄大が言う。


「でも・・・・・全然そんな雰囲気・・・」


見せなかった。


「言っただろ・・・和哉と雪ちゃんが幸せなのが俺の幸せだったって・・・・」


雪乃に彼女作らないの?と聞かれるのは時に辛かったが・・・それでも幸せだった。


「雪ちゃん・・・俺は和哉に負けないくらい雪ちゃんのことが大好きだよ。だから・・・」


・・・・俺を見てよ。


告白されているのに心が切なくなる・・・雪乃は泣き出しそうになるのをこらえる。


ここで泣いてはいけない。


「雄大君・・・・・」


言葉が続けられない。


「雪ちゃん・・・・雪ちゃん・・・・俺と付き合ってよ。一馬じゃなく・・・俺を見てよ」


雄大に抱きしめられると、雄大の匂いがする。


分厚い胸と、たくましい体。そしていつも助けてくれた優しい手。


それにいつも助けられてきた・・・・。


「・・・・・・・・・・・」


何も言わない雪乃にまた雄大の顔が近づいてくる。



咄嗟に口を手で塞ぐが・・・・
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