色をなくした世界
雪乃と和哉の思い出は・・・どこを見ても雄大がいる。


何をするにも一緒だったのに・・・・いつから雄大は気持ちを隠していたのだろう。



全てを隠し・・・ただ私たちの幸せを見ていてくれた。



辛い時は助けてくれた・・・・。



だから私も・・・雄大君に何か返したかった・・・。



生きる希望を・・・生きる楽しさをくれた彼に・・・何か返したかったのに・・・



自分がした事は雄大を傷つける事だけだった。



傷つけ・・・彼を最低な行動へと走らせた・・・・あれは雄大君が悪かったわけじゃない。



全部・・・私がさせた事だった・・・・。



優しい彼をそこまで追い詰めた・・・・自分が悪かったのだ・・・・



もう何も知らなかった頃には戻れないけど・・・それでも・・・知れて良かった。



これ以上雄大を傷つけずにすんだ・・・・それだけが救いだった・・・・。



「雄大君・・・・ごめんね・・・・ごめんね・・・・雄大君・・・・」



雪乃の瞳から涙が一粒零れ落ちた・・・・
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