色をなくした世界
「梓ちゃん・・・ごめ」


ごめんねと言おうとした時、梓によって遮られる。



「謝るのは私にじゃないでしょ?」



まずは雪乃に謝れと・・・そう言っている。



目だけが笑っていなかった梓の顔は、今は泣きそうになっている。



「・・・・ボロボロになって帰って来たから・・・・・」



誰がともどこからとも言わない。



それだけで雄大に伝わると分かっているから。



「また雪が・・・・あの日のように・・・・・」



死ぬんじゃないかと思った。



「でもね・・・雪乃はただ自分が悪いからって泣き続けたの・・・・優しい誰かさんを傷つけた自分が悪い・・・そう言ってね」



雄大は何も言えなかった。



青山が言った通り・・・雄大が知っていた通り・・・雪乃はどこまでも優しく・・・自分を責める子だった。
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