色をなくした世界
「まぁ・・・雄大君の気持ちも分からないでもないからいいけどね・・・・」



雪乃が雄大を気にしているというのは自分が言う事ではない。



生きているんだから・・・・伝えたい事は自分の気持ちで伝えるべきだと・・・・梓はそう思っている。



「会いたいなら雪に会わせてあげる・・・でも無理はさせないでね」



朝から熱が下がらず、梓が帰って来てみれば、ご飯も食べてはいなかった。




「もう少し待って起きなかったら・・・病院に連れて行くつもりだけど・・・」



和哉が亡くなって以来、雪乃は病院を嫌がった。



どうしても和哉を亡くした時の事を思い出してしまうらしい。



風邪で弱っている時なら・・・・尚更だろう。



「だから熱が上がらないように気を付けてあげて・・・・」



梓はそれだけ言うと、雪乃の部屋は分かるでしょ?と自分の部屋へと帰って行った。



帰る際に・・・



「何か変な事したら・・・・分かってるよね?」



と不気味に釘だけは刺しながら・・・・
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