色をなくした世界
「雪ちゃん・・・俺は雪ちゃんの事がずっと好きだった」



雄大の瞳に昨日の告白の時のような悲しみや切なさはなく、ただ純粋に雪乃を見つめ告白してくれる。



「和哉が雪ちゃんを好きになる前から・・・ずっと好きだったよ」



雪乃は息をのむ。



(・・・・そんなに前からだとは・・・思わなかった・・・)



「雪ちゃんいつもダンスサークルで踊ってたろ?よく廊下でこけてる所を見ていたから、不思議だったんだ・・・」



雄大は昔を思い返しながら、懐かしそうに話している。



雄大が一番輝き幸せだった頃だ・・・。



「あの子は・・・ダンスの時だけは転ばないんだなって」



雪乃の顔が赤くなる。雄大の言うとおり、よく転んでいた雪乃だが、ダンスの時だけは転ばなかった。



自分でも何で?と思うくらい、ダンスの時だけなのだ。




「初めはそんな気持ちから入ったんだよ。でも・・・いつも一生懸命で真っ直ぐな雪ちゃんにいつの間にか惹かれてた・・・」



和哉が惹かれたように・・・。


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