色をなくした世界
病院に行ってみれば・・・雪乃は救急治療室に運ばれた後だった。



看護師からは危険な状態だという事しか聞かされなかった。


東原が梓から聞いた家族に連絡を取ってくれている・・・。


(何で・・・・何で・・・雪なのよ・・・何で・・・和哉君が行った日に・・・雪まで連れて行こうとするのよ・・・・)


和也を庇い轢かれた雪乃・・・。あの日の和哉と全く同じ状況だった。


雪乃が和也を可愛がっていたのは知っている。


まるで和君の生まれ変わりのようだと・・・そう言っていた。


だから・・・和也が轢かれるのを黙って見ていられなかったのだろう。


和哉が亡くなった今日・・・和也君まで死なせたくなった・・・その気持ちは分かるのに・・・。


(何で・・・やっと幸せになるはずだったのに・・・今日からやっと歩き出すはずだったのに・・・神様はいないの・・・)


梓がただ呆然と涙を流していると、手術中のランプが消えた・・・・。


-ガタ-


雪乃を運んで連れてくる看護師・・・・雪乃は体に管をいっぱいつけられていたが・・・まだ生きていた。



ただ・・・本当にかろうじてだったが・・・。



梓が雪乃の元に行けば、看護師が一言告げる。


「非常に危険な状態です」
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