色をなくした世界
ハッと振り返れば・・・・懐かしい彼がいた。


「・・・・和君・・・・?」


雪乃の問いかけに、和哉が笑顔で頷く。


「久しぶり!雪乃」


(・・・・和君?・・・・・和君・?)


「和君・・・・?和君・・・・?本当に・・・和君?」


泣きながら名前を呼ぶ雪乃に、和哉の優しい手が触れる。



その触れ方と触れる瞬間の匂いが・・・・和哉だった。



「雪乃・・・一人にしてごめんね?」



君を置いて逝ってしまって・・・・。



和哉が話しているのを最後まで聞けなかった。雪乃は和哉に抱き着く。



「和君・・・和君・・・和君・・・・」



抱き着き、泣き続ける雪乃を和哉は泣きやむまで抱きしめてくれている。



「雪乃・・・よく頑張ったね・・・雪乃」



何度も聞きたいと思ったその声・・・。



どれだけ求めてもなかった・・・この温もりと手。



久しぶりの和哉に雪乃は動けずにいた。
< 183 / 203 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop