色をなくした世界
青山がいなくなった後、雪乃は一馬に止められていた。


「・・・本当に行くの?」


興味がなさそうにしているが、いってほしくないとオーラに出ている。


「何で機嫌悪いの?」


眉間の皺を元に戻してあげながら、雪乃は一馬を見る。


「風邪とは言え、彼女が他の男の所に行くのを嫌がらない奴はいないだろ?」


昨日付き合いだしたばかりの二人・・・確かに普通の付き合いなら嫌だろう。


「仮の彼女でしょ。そんな彼氏みたいなこと言わないでよ」


笑いながら雪乃は一馬の髪をぐちゃぐちゃにしていく。


「やめろよ・・・帰ってきたら電話して」


そう言うと、雪乃の頭にキスをして去って行った。


さりげなくキザな所は和哉とは大違いだった。


雪乃は一馬が会社を出て行くのを見送ると、仕事を始める為席についた。


隣を見れば雄大はいない。


いつも元気な雄大が風邪とは・・・仕事を早めに終わらせお見舞いに行こうと決めた。
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