色をなくした世界
-ピンポーン-


雄大が寝ていると誰かが来た音がする。


出るのも億劫で無視していようと思えば、今度は携帯が鳴った。


ディスプレイを見れば・・・・雪ちゃんと出ている。


このまま出ずにいようかとも思ったが、少しでも良いから雪乃の声が聴きたいと思い通話のボタンを押した。


「もしもし?」


雄大の声は風邪の為か枯れている。


「もしもし?雄大君?雪乃だけど・・・・寝てた?」


雪乃の声を久しぶりに聞いたような気がする・・・・そんなはずないのに。


「うーん。寝てた・・・どうした?」


昨日の雪乃と一馬の様子が頭から離れてはくれなかった。


「お見舞い来たの。もし良ければ上がっても良い?」


さっきのチャイムは雪乃だったのかと思うと、雄大は重たい体を起こし雪乃を出迎えに行った。


-ガチャ-


扉を開ければ、いつもと変わらない雪乃がそこにはいた。


「ふふふ。こんばんは。体調はどう?」
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