色をなくした世界
「和君が雄大の部屋つまらないってよく言ってたけど・・・本当に変わらないね」


雪乃がキッチンと言うにはあまりに狭い所で、ご飯を作り始めながら雄大に声をかける。


「和哉は文句言いながらもよく来てたけどね」


雄大の言うとおり、和哉は雪乃が嫉妬するくらい、雄大の所へばかり通っていた。


「知ってるよー!!何度雄大君に嫉妬したか」


「そういう和哉だって、雪ちゃんが梓ちゃんの所から帰ってこないって嫉妬してたよ?」


初耳だった。


「えー!!和君そんな事言った事なかったのに・・・知らなかった」


もっと早く聞いていれば・・・そんな事は和哉が死んでから何度もあった。


「雪ちゃんと梓ちゃんも仲が良すぎだったからね」


それは今もかと雄大は続ける。


親友を亡くした雄大と違い、雪乃は梓を亡くしていない。


どちらが辛いなんて話ではない・・・雄大にとっても和哉は無二の存在だったはずだ。


「和君と雄大君には言われたくないけどね」


そう言うと、雪乃は雄大にベッドで寝ておくようキツク言う。


雪乃自身が風邪をこじらせ、一か月入院したことがある為・・・風邪を馬鹿にしてはいけない事を身を持って知っている。


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