彼は、理想の tall man~first season~

缶ビールと酎ハイとウィスキーと焼酎。

乾系おつまみに氷をドラッグストアで購入。

さり気なく重たい方を持ってくれた敦君に、女の子扱いされていると思うと、なんとなく嬉しいもので。

例えば一緒に尚輝とスーパーに行こうものなら、『こういう時くらい重たい物持て』なんて言われて。

私に重い方の荷物を持たせたりするもんだから、わりと力には自信があったりもするんだけれど。

年上の彼氏って、やっぱりいいと再実感。

車に乗り込み、最後の何分かだけでも見られたらと願っていたサッカーは、家に帰ると1-0で日本がリードしていた。


サッカー好きの尚輝は、前回のW杯を業界と父親のコネを使って、現地まで観戦しに行っていたりするから、余計に熱が入っていたりする。


「敦さん、マジありがとうね」

「ビールでいいのか?」

「うん」

敦君が袋の中からビールを出していたりする。

「うん」と返事をしていた尚輝に、「うん」じゃないでしょと叱りつけたくもなったけど。

あんた達が自分で出すべきでしょとも思ったけれど。

敦君は、そういうことを全く思わないみたいで。
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