彼は、理想の tall man~first season~
焦り気味の私に対して、ちょっとダルそうな尚輝の応答。
でも、そんなことにかまっている余裕もなくて、尚輝が家にいるか確認を取ると、どうやら自室にこもって仕事をしているらしかった。
尚輝の部屋は屋外に通じている窓がないから、自室にいるなら外の様子は分からない。
「ごめん、そっち雨降ってるか分からないけど、こっち今雨が降ってるから、洗濯物取り込んでおいてくれる?」
『マジかよ・・・・・・洗濯物は取り込んでおくけど、お前、何時に帰ってくんの?』
「え? 特には決めてない、けど」
『晩飯は、食べてから帰って来るのか?』
「分かんない。あ、でも、お母さんが持たせてくれた野菜とかあるから、」
『んー、じゃ、予定変わるようなら連絡な』
「うん、分かった」
そして、じゃあな――と、あっさり電話は切られてしまった。
仕事をしていたみたいだから、そのあっさり感は、まあ、そうなんだろうけど。
なんとなく、冷たい感じが、しないでもなかったような――。
「尚輝、家にいた?」
「え? あ、仕事してたみたいで」
「仕事?」
「はい――なんか、あっさり電話切られちゃいました」