恋のはじめ




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「いただきまーす」



広間にそんな大きな声達があちこちから聞こえる。




咲希は一息つき、隊士達が自分の作った料理を口に運ぶのを黙って見ていた。




すると、誰よりも最初に咲希の料理を口にした二番組組長、永倉新八が突然発狂した。




「ぬあぁぁぁぁぁぁああ」と耳を突くような声が広間にいる殆どの視線を集める。



中でも、隣にいた十番組組長、原田左之助は「うるせぇぇええ!」と永倉以上の声を出した。




だが、永倉は声の音量を変えずに、まだ口に食べ物が入っているにも関わらず言う。




「いやいやいやいや、お前もちょっと食ってみいって!!やべえって!!」




「何?今日の当番誰だっけ?総司?もしかしてまたまずいんじゃ・・・」




言いながらほうれん草のおひたしを口に放り込んだ。




「・・・・・・・・・う、うまい」




小さな感想。



だが咲希はそれをきちんと聞き取っていた。




そして、一人小さくにやける。





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