恋のはじめ
****
「いただきまーす」
広間にそんな大きな声達があちこちから聞こえる。
咲希は一息つき、隊士達が自分の作った料理を口に運ぶのを黙って見ていた。
すると、誰よりも最初に咲希の料理を口にした二番組組長、永倉新八が突然発狂した。
「ぬあぁぁぁぁぁぁああ」と耳を突くような声が広間にいる殆どの視線を集める。
中でも、隣にいた十番組組長、原田左之助は「うるせぇぇええ!」と永倉以上の声を出した。
だが、永倉は声の音量を変えずに、まだ口に食べ物が入っているにも関わらず言う。
「いやいやいやいや、お前もちょっと食ってみいって!!やべえって!!」
「何?今日の当番誰だっけ?総司?もしかしてまたまずいんじゃ・・・」
言いながらほうれん草のおひたしを口に放り込んだ。
「・・・・・・・・・う、うまい」
小さな感想。
だが咲希はそれをきちんと聞き取っていた。
そして、一人小さくにやける。