ワケがありまして、幕末にございます。
「ふぁ…」
部屋の隊士達は眠りについただろうか。
平隊士は大部屋で寝る事になっている。
しかも結構な雑魚寝スタイル。
皆疲れているから即眠りにつくけど、何となく危ない気がするから遅く布団に入ることにしている。
あと一応の為に。
「眠てぇなら早く寝ろ。
つか何しに来たんだよ」
「土方弄りに」
「………」
なんてったって待つ間の暇潰しに最適だしな。
「まぁでも」
「ん?」
「そろそろ良い具合だし、寝るわ」
「そうだガキはさっさと寝ろ」
「言われなくてもー。
土方も今日は早めに寝ろよな。
おやすみー」
「…おぅ」
風にのって聞こえた“不器用なヤツ”。
その声はどこか穏やかに感じた。