ワケがありまして、幕末にございます。
「入れ」
「…失礼します」
再び部屋に入る。
さっきのと違うのは、ここが土方の部屋ということ。
そしてアタシと土方は向かい合う。
「おめぇ本当に旅してたのか」
なんも前触れもなく単刀直入。
あまりにも直球すぎる。
「……」
何も言えず黙ってると、
「なんか言えや」
イライラしたように急かす。
どうしよう。
なんて言おう。
正直に言うか?
いや無理だ。
面倒なことになる。
ってかこの状況がすでにめんどいんだけど。