わたしとあなたのありのまま ‥2‥


 私以上に往生際の悪い二人には呆れる。
 そして、ほとほと困り果てている。
 私を想ってのことだとわかるから、尚更たちが悪い。


 けれど――
 そんな二人の策略に乗っかって、田所と会えることを喜んでいる私も居て。

 そんな私が一番たちが悪いのかもしれない。


 そして今日も、渋々ではあるけれど、綾子に付き合って田所のクラス、7組へと向かうのだ。

 ――ほらね。



「照くん、電子辞書忘れちゃったんだって。
 次の英語で使うから貸してって言われて。
 ほら熊野って忘れ物とかうるさいじゃん?」

 弾むような軽快な足取りで廊下を進みながら、長々とわざとらしく7組へ向かう偽造の目的を話す綾子を、じっとりと横目で見やった。


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