甘く、甘い、二人の時間

卒業までの僅かな期間。

私は康介からの連絡を全て無視した。



大学に行く機会もほとんど無くなる時期だけに、ばったり会う事もなく……。







卒業式。



悔しいけど、私の目は康介を探していた。

そして、それは康介も同じで。



目が合った瞬間、その場を立ち去ろうとしたら、腕を掴まれた。



「痛い、離して!」



康介の顔を見れずに、どうしたらいいのか分からなくて……。

声を荒げて反抗する事しか出来なかった。


本当は、会いたくて会いたくて仕方なかったのに、抱き締めて欲しかったのに、素直に伝えられなかった。





「――ごめん」



康介はひどく悲しそうな顔で、私の腕を離して、その場を立ち去った。


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