甘く、甘い、二人の時間


求めていた温もりに涙腺が崩壊して、ますます顔を上げる事が出来ない。



そんな私を、拓海はいつになく強く抱きしめる。



「――菫、ごめんな。」

「本当に悪かった。」



頭の上から聞こえてくる、謝罪の言葉。



分かってるよ。

大丈夫だから気にしないで。


そう伝えたいけど、煮え切らない自分もいて。


どうしても素直で可愛い女にはなれないみたい。




それでも拓海の温もりが嬉しくて、凍り付いた心は溶け出していく。

だから、もっと抱きしめて欲しくて、拓海の背中に腕を回した。






そんな私の行動を見計らったように、拓海の右手が私の顎を持ち上げて。


じっと瞳を覗き込んでくる。



< 11 / 209 >

この作品をシェア

pagetop