甘く、甘い、二人の時間
……ピンポーーン
突然鳴り響いたチャイムに、ビクッと肩を震わせれば。
〜〜〜♪
握り締めていた冷たい物体からも音が鳴り始める。
「…拓海?」
戸惑いながらも着信を確認して、玄関のドアに目を向ける。
だって、ドアの向こうから声が聞こえてくるから。
「――菫?いるなら開けて欲しいんだけど。」
着信音聞こえてるよ。
いるんだよね?
拓海らしいもっともな説明をするから、居留守すら通用しない。
ぎこちなく動く足を前に出し、ゆっくりとドアを開けた。
顔、見れない。
まだ心の準備出来てない――。
そんな私の複雑な気持ちごと包み込む様に、大きくて温かい手が伸びて来て……
引き寄せられるまま、抱きしめられていた。