甘く、甘い、二人の時間

黙ってついてきたら、駅から徒歩5分のパーキングだった。



「これ俺の車。」

「……」


「まぁ、乗って。」

「……」




躊躇う私の横で、康介はわざわざ助手席のドアを開けてくれる。



目の前にあるピカピカに手入れされた四駆は、なんだか、物を大事にする康介らしい。



でも、“落ち着く場所”って、車?


無言で康介を見つめると、私の考えが分かったのか



「とりあえず、落ち着いて話が出来るだろ?」



と、困ったように微笑んだ。





それは昔と変わらない、優しい康介らしい笑顔で――


胸がぎゅっと締め付けられた。





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