甘く、甘い、二人の時間
「……拓海、ここは…」
「"行きたい店"だけど?」
「…でも。」
「いいから入る!」
「「いらっしゃいませーーー!!」」
入り口を開ければ、威勢のいい声が飛んできた。
何処にでもある居酒屋の光景だ。
「菫、カウンターに座ろうか?」
「……」
菫は渋々頷き、カウンター席に腰掛けた。
でも俺の顔を見ないし、一言も喋らない。
意地悪とか思ってる?
確かに、騙す様にして連れて来たのは意地が悪いかもしれないが、あのままあやふやにはしておけない。
元彼に送って貰うなんてあり得ない。
そう思う俺の考えは間違いないはず。
菫の説明だけで納得なんて出来ないから、直接話をしに来たんだ。
ここの店長さんと。