甘く、甘い、二人の時間
大きな窓からは、オフィス街の風景が
よく見える。
「……ぁ。」
何気なく覗いたビルの真下にある歩道に、拓海がいた。
携帯で話をしているみたい。
片手にはビジネスバッグを持ち、
足元には紙袋が沢山置いてある。
きっと、今、営業から帰ってきたんだ。
お疲れ様。
私が拓海と同じ会社で働いていたら、
すぐに飛んで行って、荷物を半分運んであげるのに。
それから熱いコーヒーをいれてあげる。
窓の外の拓海を見つめながら、
一人妄想を繰り広げていた。