夏の空~彼の背中を追い掛けて~
『彼処』って何処の事なのかな?
そこに行って、一体何をするの!?
帰り際の孝道君の様子が気になって仕方なかったけど、疑問は消えぬまま約束の13時になってしまった。
昼食の片付けを済ませ、私は紀香に連れられ“彼処”へ向かう。
お店屋さんの前を通り過ぎ、坂道を上がって右へ曲がると小さなグラウンドに着いた。
彼処ってグラウンドなの?
辺りを見渡すと、木造の古い建物に"○○町公民館"と書いてある。
公民館に用があるのかな?
でも人が居る気配はないけど…?
「紀香、待ち合わせ場所はここ?孝道君、居ないよ?」
「んここで間違いないはずなんだけど…もしかしたら!!」
答えながら、紀香の足は反対方向へ進む。
何処行くの!?
ここじゃなかったの?
トコトコと後を付いて行くと、紀香は公民館とグラウンドを三角形に結ぶ位置に建つ、コンクリートの古びた倉庫のドアを開け、中へと入って行った。
「あっ!居た!!もう、公民館に居ないから探したよ!」
さほど大きな声は出していない様だけど、普段の2倍位の大きさで紀香の声が響く。