夏の空~彼の背中を追い掛けて~
「真弥、大丈夫か?」
この声は…俊ちゃん!?
「来るのが遅くなってゴメン」
一瞬、漣に視線を向け、俊ちゃんが私を抱き起こす。
「ゔゔっ…俊…ちゃん…。来てくれて有り難う…。怖かったよ…」
助けられた安心感で、一気に涙が溢れ出す。
「もう大丈夫だから」
そっと私を抱き締め、優しく包む俊ちゃんの腕が、少しずつ恐怖心を消していく。
「オイ、お前!真弥から離れろ!!そいつは俺の女だ!」
喧嘩を売る様な漣の口調に、俊ちゃんの体がピクリと動く。
「真弥…孝道達を呼びに行けるか?」
初めて聞く、低音掛かった俊ちゃんの声に、思わず顔を上げた。
眉間にシワが寄り、怒りを露にしたその顔に、躊躇してしまう。
めちゃくちゃ怒ってる?って、当たり前か。
暇潰しに体育祭を見に来て、こんな事に巻き込まれたら、誰だって迷惑だよね…。