夏の空~彼の背中を追い掛けて~
「俊ちゃん、大丈夫!?怪我してない!?」
見た限り、外傷は無いみたい。
「大丈夫。話をしただけだから」
目を細めて微笑んだ俊ちゃんは、私をそっと引き寄せた。
「良かった…凄く心配した」
「ゴメン…」
俊ちゃんに頭をそっと撫でられ、緊張の糸が切れたのか、視界が歪む。
「こんなに泥だらけだと、体育祭には戻れないな…。ノンちゃん、先生には適当に言って誤魔化しといて」
「ほぇ!?」
俊ちゃんの言葉に、紀香はすっとんきょうな声を出す。
「気分が悪くなったとか言ってくれれば良いから」
「う…ん、分かった」
まだ俊ちゃんの意図が分からないと言った感じの声で、紀香は答える。
「真弥、行くよ」
行くって何処へ?
体育祭には戻らなくて良いんでしょ?
嗚咽が出て上手く話せない私は、俊ちゃんに手首を引かれるまま歩いた。