夏の空~彼の背中を追い掛けて~
グラウンドを横切り、玄関へと辿り着く。
「真弥、保健室は何処?」
「保健室?」
「手、怪我してる。足もちょっと血が出てるよ?」
えっ!?
俊ちゃんに言われて初めて気付いた。
漣に抵抗した時に出来たであろうすり傷が、数ヶ所に見られる。
手なんて血と泥で汚れ、何処をどう怪我してるのかさえ良く分からない。
きっと今まで痛みを感じなかったのは、まだ恐怖心が消えていなかったから。
漣からの解放と俊ちゃんが傍に居てくれる安心感で、今になって漸くズキズキと痛みが伝わる。
私はそれを悟られない様に平気な振りをして、保健室へ向かった。
「真弥、座って。俺が手当てしてあげる」
「えっ!?い…いいよ、自分で出来るから」
ホントはさ、痛いのが嫌いなんだ…。
だから意地でも断りたい!
けど、消毒液やピンセットの準備をする俊ちゃんを見てたら、どうしても断れなかった。