夏の空~彼の背中を追い掛けて~
「真弥がアイツに連れて行かれた後、ノンちゃんに元カレだって聞いて、慌てて追い掛けたんだ」
俊ちゃんは言葉を選ぶ様に、ゆっくりと話始める。
「ヤられそうになってる真弥を見たら、アイツに無性に腹が立って…気付いたら体育館の裏で殴りそうになってた。でもその時…」
布団に両手を突いた俊ちゃんは状態を少し起こし、上から私を見下ろす。
「真弥の悲しげな顔が浮かんで、殴れなかった。何でだと思う?」
えっ?
『何で』と聞かれても…。
「ス……キ…だから?」
あ゛、私の馬鹿!
何て事を言うんだ!!
そんな事言ったら『自惚れてる』って思われちゃうでしょ!?
何とか誤魔化せないか、私は言葉を探した。
だけど何も思い付かず、気まずい空気が流れるかと思いきや。
「俺も……そうなのかもって思った」
嬉しい言葉と優しい眼差しを向けられ、私の顔がニヤケていく。