夏の空~彼の背中を追い掛けて~
「そ…そんな事ないよ。亜紀の気にしすぎ」
「そっ?なら良いけど」
まだ納得のいかない顔をしていたけれど、亜紀はそれ以上聞こうとしなかった。
ごめんね、亜紀。
いつか話せる時が来たら、ちゃんと話すから、それまで待っててね。
「真弥、これからどうする?友達がカラオケに行ってるんだけど、一緒に行く?」
んカラオケかぁ~。
歌えばちょっとは気持ちも明るくなるだろうけど、それでは何も解決はしない。
今やるべき事は現実から逃げるのではなく、家族にどう伝えるか…。
そして、俊ちゃんにどう話をするか…。
ん1人で悩んでもどうにもならないし、やっぱり色々と事情を知ってる紀香に相談するのが1番かなぁ。
「亜紀、ごめん。私もこの後用事があるから、カラオケには行けない」
「そっか。じゃぁ私は行って来る」
「ごめんね…」
西へ向かって歩き出した亜紀の背中を見送り、私は自宅がある北の方へと足を進めた。
そして途中に有る小さな公園へ寄り、そこの公衆電話から紀香の家へ電話を掛けた。